2024年スタート!「新NISA」とは

投資で得られた利益には約20%の税金がかかります。これがゼロ(非課税)になる国の制度「NISA」、この制度変更が行われることが2019年12月に発表されました。

NISAは3種類

NISAには以下の3つの種類があります。 制度ごとに投資できる金額の上限や投資できる商品、非課税になる期間などが異なります。 それぞれの制度のスタート時期は以下の通りです。

・2014年「一般NISA」
・2016年「ジュニアNISA」
・2018年には「つみたてNISA」

まずこのなかの、「一般NISA」と「つみたてNISA」が2024年よりリニューアルされます。そして「ジュニアNISA」は廃止となることが決まりました。

3つの制度の中で、もっとも口座数が多いのは「一般NISA」であり、 3制度を合わせると、約1375万人(※1)が利用している制度です。

ここでは、新しくなる「(一般)NISA」と「つみたてNISA」を解説します。

※1 金融庁「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査」(2019年9月末時点)
「一般NISA」の口座数は約1170万口座
「つみたてNISA」の約170万口座
「ジュニアNISA」の約34万口座

「一般NISA」は2階建ての「新NISA」にリニューアル!

「一般NISA」の変更点から見ていきましょう。現在、「一般NISA」で投資ができる期間は2023年までとなっています。2024年から「一般NISA」は「新NISA(仮称)」となり、大幅に見直されることが発表されました。ここでは新しいNISAを「新NISA」と呼びます。図表は変更点をまとめたものです。正直、ちょっと複雑ですよね。

「新NISA」変更点は3つ!

①非課税額が増える

「一般NISA」は、年120万円まで投資で得られた利益が非課税になります。それに対して、2024年以降の「新NISA」では、投資は「2階建て」になります。

1階部分は年20万円、2階部分は年102万円までの投資ができ、それぞれの利益が非課税になります。

つまり、「新NISA」で投資できる金額は年122万円であり、現状の「(一般)NISA」よりも年2万円多く投資できます。

②投資対象(運用商品)が変わる

「一般NISA」の投資の対象は、上場株式・ETF・REIT・投資信託です。2024年以降の「新NISA」も基本は同じですが、1階部分と2階部分で投資できる商品が違います。

「新NISA」の1階部分で投資できるのは、「つみたてNISA」の対象になっている投資信託です。現在、日本で個人が購入できる投資信託は約6000本と言われています。このなかで「つみたてNISA」で購入できる投資信託は、金融庁の厳しい条件をクリアした170本程度。

これに対して2階部分では、「一般NISA」と同じく株式や投資信託に投資することができます。ただし、上場が廃止されそうな株式(監理銘柄・整理銘柄)や、長期投資に適さない高レバレッジ投資信託などは除外される予定です。

原則として、1階部分の投資をしないと、2階部分の投資はできないルールになるですが、2階部分を使いたいからといって1階部分の20万円の枠を使い切る必要はありません。金融機関によりますが、1000円、5000円といった最低投資金額の積み立てを行えば、2階部分が使えるようになります。

③期間終了後の扱い(ロールオーバー)が変わる

「一般NISA」で投資できる期間は2023年までです。それに変わる「新NISA」で投資できる期間は、2024年から2028年までの5年間となります。「一般NISA」の口座を持っている人は、2024年になると自動的に「新NISA」に移行します。(特別な手続きは不要)現在、「一般NISA」口座を持っている人からすれば、投資できる期間が5年伸びたと言えますよ。

今回「新NISA」ができたことにより、2019年以降に「一般NISA」口座で購入した株や投資信託を「新NISA」にロールオーバー(※)できるようになる見込みですこれにより最大10年間非課税で運用できるようになります。

※2 ロールオーバーとは
5年間一般NISAで運用してきた株や投資信託をその翌年の投資枠に移すことで、最大10年間非課税で運用できるといった仕組み。一般NISAは2023年までの制度だったので、2019年以降に購入した株や投資信託は、ロールオーバーできない状況だった

また「新NISA」の1階部分で運用する投資信託も、5年の非課税期間終了後、「つみたてNISA」にロールオーバーできるようになる予定です。「つみたてNISA」は20年間非課税なので、「つみたてNISA」にロールオーバーすれば、「新NISA」の期間と合わせて、最大25年間非課税で運用できることになります。

つみたてNISAは5年延長へ!

「つみたてNISA」は投資信託などを購入できる期限が5年間延長され、2042年までとなります。

「つみたてNISA」は、投資信託などを購入できる期間が2018年から2037年までと、3つのNISA制度のなかでもっとも長い制度です。

2018年に始めていれば、年間の非課税額40万円をフルに利用していれば、2037年までの20年間×40万円と最大800万円の運用ができるようになっていました。しかし、今年、2020年に始めた人は、2020年から2037年までの最大18年間(720万円)という具合に、始めるのが遅くなればなるほど、投資信託などを購入できる年数や金額が減る点が問題視されていました。

 今回、「つみたてNISA」は5年間延長されて、2042年まで投資信託などを購入できるようになるため、2020年からスタートすれば、2042年までの23年間×40万円、累計で最大920万円まで、非課税で投資できることになります。

ジュニアNISAは廃止へ

未成年の子や孫のために年80万円まで非課税で投資できる「ジュニアNISA」ですが、利用者数が少ないことから、2023年をもって終了することになりました。

「ジュニアNISA」口座内のお金は子や孫が18歳になるまでは原則として引き出せませんが、2024年以降は制限なく、非課税で引き出せるようになる予定です。

他人事ではなく人生100年時代

資産形成の手段として、国の制度であるNISA。使いやすいようにと制度改正されていますが、まだまだ利用されていな方も多いのが現状です。

つみたてNISAであれば月々100円からできる時代です。

老後に不安を抱えるだけでなく、自分の足で小さな一歩踏み出してはいかがでしょう?

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